SDGsなプロジェクト

九州の企業が取り組むSDGsプロジェクト

「人生で大切なことはすべてFOOTBALLから教わった」男が、仲間たちと創り出した未来について。

Last Update | 2021.02.26

株式会社モルテン

株式会社モルテン
住所:広島市西区横川新町1-8
TEL:082-292-1381
https://www.molten.co.jp

  • 質の高い教育をみんなに
  • つくる責任つかう責任

寄附、ボランティア、そして持続可能性

 サッカーは、世界で最も人気のあるスポーツのひとつとされ、競技人口は約2億6千万人とも言われている。特別な設備や道具がなくても、サッカーボール1個さえあれば、多くの人たちが一緒に楽しめる手軽さもあり、発展途上国への社会貢献策のひとつとして活用されることも多い。国籍や宗教、言語が異なる人たち同士がサッカーを通じて交流したり、貧困や紛争に苛まれる子どもたちに古いボールを贈ったり、現地に指導員を派遣して技術指導をしたり、さまざまな取組みが行われている。しかし、寄附やボランティアによって運営されている事例が多く、取組みを継続していくことに課題を抱えるケースも少なくない。
 2021年1月13日(水)、株式会社モルテンが発表した「MY FOOTBALL KIT(マイ フットボールキット)」。『すべての子供たちが夢を抱ける成長に貢献すること』を目的としたこのチャレンジは、スポーツを通じた“持続可能な”社会貢献の在り方に、大きな示唆を与えるものだ。

今回リリースされた「MY FOOTBALL KIT」で組み上げたボール

自分で組み立てるサッカーボール

 「ようやく皆さんにお披露目することができました。やっとです。長かったぁ」と笑顔を見せるのは、株式会社モルテン スポーツ事業本部 内田 潤さん。「MY FOOTBALL KIT」のプロジェクトリーダーだ。広島県出身で、小学校3年生から大学卒業までサッカーと共に過ごし、プロのサッカー選手を真剣に目指すほどだった。「私自身、フットボールを通じて教えてもらったことが本当に大きくて。向上心、コミュニケーション、謙虚さ、努力すること、尊敬すること、人としての在り方とか、数えきれないほどです。プロの選手にはなれなかったけれど、今もフットボールに携わる仕事ができていて、今でも『フットボールって素晴らしい』って思えます。この経験をもっと多くの人に伝えたい、子どもたちに何か貢献したい…「MY FOOTBALL KIT」には、そんな想いが詰まっています」と語る。
 「MY FOOTBALL KIT」は組み立て式のサッカーボールで、3種類54個のパーツを組み合わせて球体を作る。環境への配慮から素材は再生ポリプロピレンを40%使用。中に空気を入れないエアレス方式で、それでいて一般のサッカーボールに近い蹴り心地を再現するなど、細部にこだわりをみせる。一般の生活者向けには販売せず、プロジェクトのコンセプトに賛同する企業や団体向けに販売し、スポーツを通じたさまざまな社会貢献の取組みに活用してもらう。

株式会社モルテン スポーツ事業本部 商品企画部 フットボールグループ グループリーダー 内田 潤さん

 「貧しくてボールを買ってもらえない子どもは、発展途上国だけでなく、日本にも世界にもたくさんいます。そんな子どもたちにボールをプレゼントしても、最初は嬉しくて『ありがとう』ってなるし、みんなでサッカーをして遊ぶけれど、そこまでなんです。もらう側の子どもたちの意識が変わらなきゃ、次の動きが生まれないと思ったんです。私たちは“ボール屋”なんで、古いボールを集めてプレゼントするのは、そんなに難しくありません。でも、古くなって使わなくなったものをプレゼントして、なんか“いいコト”したみたいな感じになるけれど、それって贈る側の論理なんです」という内田さん。
 「ボールは時間とともに中の空気が抜けていきます。でも発展途上国には“空気入れ”がないから、中の空気が抜けたらそれで終わりです。ならば、空気を入れないボールって作れないだろうか? 日本には竹を組んで球体にした竹鞠があるし、セパタクローのボールも空気を入れずに編んだもの。だったら、組み立て式のボールって作れないだろうか? そうしたら、自分たちでボールを組み立てるという“学び”の機会を提供できるのではないだろうか? と考えたんです。上手に組み立てられるだろうか? 試行錯誤しながらみんなで相談して組み立てられるだろうか? できない子がいたら教えてあげられるだろうか? 時間がかかっても、できるまで待ってあげられるだろうか? そうやってみんなで作ったボールは、与えられたボールではなく、もう自分たちのボールだから、きっと大切にしてくれるだろう。自分たちの意思で、みんなで力を合わせてボールを作っていく過程こそ、SDGsの「ゴール4:質の高い教育」に当たるのではないか? そういう風に拡げていきながら企画していきました」。 
 事実「MY FOOTBALL KIT」のプレスリリースには、花まる学習会代表 高濱正伸氏の「たった3種類の平面パーツから、これだけ立派な球体が出来上がることに感動した。数学を指導するものとして『これは、子どもの立体の能力、ひいては数学の差がつく力を、大いに伸ばすものだぞ』と。このボールが、日本発で、世界の子どもたちの遊びに貢献し、数学力アップに貢献することを願う」というコメントが寄せられている。教育の専門家から見ても、特に子どもたちの空間認識能力を高める教材として価値が高いそうだ。

「MY FOOTBALL KIT」のパーツは、この3種類
イラストと数字で構成された説明書には、細部にデザインの力が宿る

 さらに秀逸なのがデザインワーク。手掛けたのは、デザインオフィス「nendo」。一般にサッカーボールは5角形と6角形の組み合わせで面が構成されている。一方「MT FOOTBALL KIT」は5角形と星形の組み合わせだ。組み立て式なので、表面に3角形の隙間もある。にもかかわらず、一目でサッカーボールだと印象付けるデザイン力には感嘆させられる。また、再生紙を使用した説明書は、世界中の子どもたちが遊べるようにと、文字を使わずイラストで手順が描かれていて、より直感的に数学的な学びができる。細かい指示が無い分、子どもたちが自分たちで考え、試行錯誤しながら力を合わせてボールを組み上げていく、その創造的な学びの道標となっているのだ。

SDGsを意識した商品開発

 「MY FOOTBALL KIT」の開発過程も興味深い。出発点は、社内の戦略研修だ。株式会社モルテンでは、事業戦略立案のための社員研修を実施している。毎年社内から7~8名が選出され、1年間かけて事業戦略立案の基礎を学び、最終的には一人ひとりが新規事業のプランをプレゼンテーションする。「外部から講師を招いて、社長、役員も含めて1年間みっちりやります(笑)。自社の内部環境や外部環境を分析しながら、マーケティングの基礎から事業戦略の立案手法を学びます。私は『自分ごとにして、夢中になって取り組めるかどうか? 』を判断基準に立案していきました」と内田さんは振り返る。
 実は、内田さん、この外部環境分析の際にSDGsに出会ったそう。「たぶん、これほど本気でSDGsと向き合ったのは、私が社内で初めてなんじゃないか? と思っています(笑)。経済を大きくするのは大事です。企業だから儲けなきゃならない。ただ、その周りには社会があって地球(環境)がある。その基盤を失えば企業は活動できないから、一緒に考えなきゃダメだと感じました。私たちの事業が、社会のためになっているか? 地球のためになっているか? 『事業とは別に』じゃなくて『事業の中で』考えなきゃならないと思います。なによりSDGsについては小学生の方が断然詳しい!! SDGsの視点に立ってプランニングしないと、私たち大人が置いてかれるって感じました」。

 「MY FOOTBALL KIT」プロジェクトは、とてもSDGs的である。SDGsを語るとき、しばしば登場する「バックキャスト」という考え方。今の技術の延長線上に未来を描くのではなく、まず「こうありたい未来」を描き、そこにたどり着くために必要な課題を解決していくという考え方を指す。「MY FOOTBALL KIT」も、まず「空気を入れないサッカーボール」という未来を描くことで、3つのパーツを組み上げて球体を作るという技術的な解決策を生み出した。同時に、パーツを組み立ててサッカーボールを作るという学びの機会を生み出し、内田さんが体験した「フットボールを通じて教えてもらったこと」を、子どもたちが自然と学べるようになった。その結果、プロジェクトは『事業の中で』社会貢献を実現する仕組みを手に入れた。 

プロジェクトがつくる未来

 「これは、ボールだけどボールじゃないんです。これは夢、未来のきっかけになったらいいなと思っています」と語る内田さん。「自分たちで力を合わせてボールを作った体験は『僕らにもできるんだ!』って自信のきっかけになったらいいな…とか。もちろんプロのサッカー選手になるきっかけになってもいいし、こんなボールを作れるエンジニアになりたいって思ってくれたり、このボールを贈ってくれた企業に就職したい…そんな夢もアリですね。『MY FOOTBALL KIT』が、子どもたちが何かしらの未来を描くきっかけになってくれるといいなと願っています。今後は、このプロジェクトに賛同していただける企業や団体と一緒に、発展途上国の子どもたちに届けたり、被災地の子どもたちに届けたり、ワークショップや体験イベントとか、子どもたちに夢と成長の枠組みを作るために活用していきたいと考えています」。
 この小さなサッカーボールが、いろいろな人たちの夢を一緒に乗せて、子どもたちの未来を作っていく…そんな日々は、意外とすぐに訪れるのかもしれない。

「世の中をよりよい場所にする」ために

 「内田と話されましたか? あの男は、面白いですよ」 ーはじめましてのご挨拶も早々に、大きな、それでいて親しげな声で、嬉しそうに話してくれたのは、株式会社モルテン 代表取締役社長 最高経営責任者 民秋清史氏。内田さんの話を伺った数日後である。手元にある「MY FOOTBALL KIT」の白いボールを手に取りながら「ボールってですね、空気が入っているものなんですよ、基本的に。ボールは ①形状を保持すること ②跳ねること、これが重要なんです。そのためには空気を入れるのが一番よかった」と民秋社長は話を始める。「でもね、空気って必ず漏れるんです。漏れないようにするのって本当に大変で、それこそ創業以来の課題ですよ。めちゃめちゃコストをかければ漏れないボールは作れる。でも、それじゃ普及しない。ならば、空気を入れないことを『材料特性』と『構造特性』でやってみようってのが、これです。それも可能性ですよね」。
 モルテンの経営理念は「世の中をよりよい場所にする」、それを体現するコーポレートブランドステートメントは「Moving with Possibilities」。コロナ禍にある今、その言葉はどういう意味を持つのだろうか? 「緊急事態宣言で、会社にも行けない、部活にも行けない。閉じこもって先行きが見えない中で、可能性をどう見出すか? いろいろ考えることがあったはずなので、それを、やってみるしかないんじゃないかな」と民秋社長は言う。その一例が「空気を入れないボール」の可能性を見出し、実際にやってみたのが「MY FOOTBALL KIT」プロジェクトだ。

株式会社モルテン 代表取締役社長 最高経営責任者 民秋清史氏

 民秋社長は続ける。「スポーツの価値っていろいろあるけれど、コミュニティをつくると言うか、人と人が触れ合うという部分はやっぱり大事だと思うんです。一緒にプレイするだけじゃなくて、応援したり、仲間になったりね。あと、ゲームの世界だと、始めてすぐにダンクシュートができるけど、リアルな世界は違う。少しづつ『これができるようになった』の積み重ね。試合で負けてもそれで終わりでなくて、次勝てるように頑張る。そういう人とのつながりとか、努力を重ねて成功体験を得るとか、それは“教育”ですよ。このボールは、スポーツと教育の掛け合わせで生まれたイノベーションだと思います。だからSDGsの4番のゴール。それにSDGsの理念は“誰一人取り残さない”だから、発展途上国の子だけじゃないし、先進国の子だって、大人だってみんなが関われるんです」。つい数日前、内田さんと話した物語が、言葉は違えど同じ熱量で語られる。取締役社長とプロジェクトリーダーが、同じ未来を熱く語る姿を見せられると、少々うらやましくすら思える。

SDGsは「これが問題です」って定義している

 民秋社長がSDGsを本格的に意識しはじめたのは約3年前のこと。前述の戦略研修の中で、SDGsをテーマに議論をしたときだそうだ。「SDGsってわかりやすいですよね。社会の問題が何か? が、わかりやすい。学生と社会人の違いってね、学生は問題を出されて、それを答えるのが学生です。社会人は『何が問題か? 』考えるんです。たとえば、少子高齢化って、具体的に何が問題なの? 僕らが子どもの頃は、子どもが多くて、1クラスの人数が多いと教育の質が下がるって言われていたんですよ。老人が増えるってのは、寿命が伸びてるってことだから、それは良いことじゃないんですか? つまり『何が問題か? 』は、視点や時代によって変わるから本当に難しい。でもね、SDGsは世界を俯瞰で見て『これが問題です』って定義しているもの。指標としてはすごく良い。だったら、みんな参考にしますよね。SDGsそのものが、いろんな人の可能性を活かすものだと思うんです。だから、僕たちの事業に親和性があるなと感じています」。
 この民秋社長の捉え方は、SDGsを理解する上で大きなヒントになるはずだ。特に、事業を通じた社会貢献が求められる今日、『何が問題か? 』の答えが、17のゴールと169のターゲットで示されているということなのだから。

モルテンの“型”

 これまでの2人の話の中にたびたび登場するモルテンの「戦略研修」はどういう経緯で始まったものなのだろう。「僕は元々自動車業界(矢崎ノースアメリカインク)の出身なんですが、アメリカではね、みんな定時になったらスタートダッシュで帰るんです。定時前から帰る準備をしていて、定時になったらF-1のスタートの時みたいに、家に帰る車が“ブワァ~”って走り出す(笑)。でも、日本の友人に電話すると夜中の11時頃なのにまだ働いている。アメリカではイノベーションも活発だし、強いブランドも多い。一生懸命働いている日本人は何が悪いんだろう? って。いろいろ学んで考えて『いかにやるかより、何をやるかが問題なんじゃないか? 』って思うようになったんです。たとえば広島に居てね、これから東京に移動しなきゃならないのに福岡を目指してしまうと、いかに早く移動するか? を考えても、いつまで経っても東京にはたどり着けない。日本人は“いかにやるか”は強い。でも“何をやるか”つまり戦略が上手くない。そう感じていました」と振り返る民秋社長。
 「戦略研修を始めたのは10年くらい前です。モルテンのモノづくりには『トヨタ生産方式』という軸があります。自動車業界のモノづくりの強さは、その手法や思想を含めて、他の業界のそれより遥かに強い。だから自動車部品事業はもちろんですが、スポーツ用品事業のモノづくりにも活用して、おかげで高い生産性を維持できるようになっていました。じゃあ、次のステップとして戦略の軸を作ろうと思ったんです。モルテン流の事業戦略の“型”ですね」。
 しかし、戦略研修は社員教育のプログラムである。社員教育でモルテン流の“型”を作るとは? 「世の中に“モルテンさん”はいません。モルテンの社員一人ひとりの総和がモルテンなんです。人の集合体が企業の“型”になります。“型”は、それを実行する人が少なくとも50%以上になれば、モルテン流になります。だから社員教育から始めました。たとえばね、社内で一人だけ、一生懸命努力してMBA(Master of BusinessAdministration/経営学修士号)を取った社員がいたとします。その人が、ある会議で『5フォース分析ですと…』とか『STPを考えてみると…』と言ったところで、周りは『何言ってんだコイツ』ってなります。頑張って手に入れた言葉が通じない。だから“言葉が通じる”ある程度の総和が必要なんです」と語る民秋社長。

 民秋社長の言葉を借りれば、株式会社モルテンは「多角化した製造業」だ。スポーツ競技のボールメーカーのイメージが強いが、実際はスポーツ用品事業、自動車部品事業、医療・福祉機器事業、親水用品・産業用品事業の4つの事業部門の集合体である。いずれも、内部の空気圧を調整する「中空体技術」と、ゴム・樹脂などの高分子素材を扱う「高分子化学」の技術をコア・コンピタンスとして、社会的な価値を生み出してきた歴史がある。つまり、ベースは“技術屋”である。
 そこに事業戦略の“型”を持った社員が増えるということは、事業戦略ができる技術屋集団こそがモルテン流が意味するところだ。「もちろん、得意・不得意ってありますから、戦略研修を1年間やっても、最後に全員が新規事業をプレゼンテーションできるわけではありません。大事なのは“共通言語”なんです。内田は新しいことを考えるのが得意だった。でも技術は得意じゃないから、エンジニアに相談した。そのエンジニアは戦略研修の卒業者だったけれど、その時は新規事業は出せなかった。でも、内田が言っている言葉はわかるんです。だから内田がやりたいことがわかるし納得もできる。“型”がわかるから一緒にやれる。これがモルテン流なんだと思います」。 
 数日前の内田さんとの話に戻る。「最初はエンジニアとの二人三脚だったんです。私がコンセプトを説明して、空気を入れないボールを作りたいって言ったら『たぶん、できるよ』って言ってもらえて。彼も戦略研修の卒業生だから、話を聞いてもらえたんです。試作品を作って、カンボジアにテストに持っていって、現地の子どもたちに遊んでもらったことがあって。カンボジアには、積木みたいなのが無くて、組み立てることに子どもたちが慣れていないから、ボールを組み立てるだけで3時間くらいかかったんですけど、自分たちで夢中になって作ってくれて。ようやく『できたーっ!! 』ってなってみんなが喜んでサッカーしていて、ふと横を見たらエンジニアが泣いている。私、初めて見ました、泣く人じゃないから。脇林さんって言うんですけどね、ウチの球技工学のリーダーですよ。『ああ、これが私たちがやりたかったことだ』って、その時、スッと落ちた感じでした」。内田さんが教えてくれたその話こそが、まさに今、民秋社長が語ってくれたモルテン流なのである。

株式会社モルテン 本社

 とは言え、その戦略研修は、日常業務をこなしながら実施される。まさに“言うは易く行うは難し”、なぜ、社員が離れず続けていけるのだろうか? 「そりゃ、みんなやりたいことやってるからじゃないですか? 内田はね、サッカー大好きだもん。やりたいことやらないとダメ。もし『会社のために』って思ってるならやめた方がいい。研修は特権だから。『自分の考えをカタチにできるよ』『その考えに会社のリソース使っていいよ』ってことだから。これはすごいよね。好きなことをやらないと。それで、儲ければみんなハッピー、会社もハッピー。いや、そもそもね、やりたくないことやって商売しようってのは、おこがましいですよ(笑)。パンが嫌いな人がね、世界一のパンを作るのってのはおこがましい。知ってました!? (将棋の)羽生善治さんの趣味ってチェスですから(笑)。『ああ、疲れたなぁ。じゃあ気分転換にチェスやろう』って、そんなん勝てるわけないもん。好きなものを仕事にするのは甘くないって言われるけど、僕に言わせれば、好きでもないもので世界一になろうなんて、それはおこがましいですよ」と民秋社長は笑う。笑い話のようだが、真理である。「僕はね、SDGsってそういうことだと思うんです。みんなで幸せになろうねって話でしょ。“誰一人取り残さない”ってそういうことですよ」。たしかに、民秋社長にかかれば、SDGsはとてもシンプルでわかりやすいのだ。