colaboraレポート
九州の地方創生SDGs注目の話題
子どもたちの「生きる力」を育む『探求的な学習』に活用できるSDGs啓発カードゲーム
SDGs啓発カードゲーム『街-1カード』
株式会社西日本シティ銀行
住所 : 福岡市博多区博多駅前3-1-1
https://www.ncbank.co.jp
全国初! 金融機関が特許発明品を一般販売開始
地域活性化に資する学びの場づくり
「今回、一般販売を始めたSDGs啓発カードゲームは『街-1カード』と言います。元々は2019年10月に開催したワークショップ (SDGs啓発アイデア創発型ワークショップ『街-1グランプリ』) で使用したカードゲームをベースに、まちづくりや地域活性化につながる教育の場づくりをめざして、細部を磨き込んで商品化しました」と語るのはNCB 執行役員 広報文化部長 小湊真美。「当行では従来から子どもたちに銀行を身近に感じてもらい、銀行やお金について楽しく学んでもらうために『お金のがっこう』という金融リテラシー教育に取り組んでいます。SDGsの機運が高まってきた2019年に15回目の開催を迎えるにあたり、何か特別なコンテンツを開発しようと考えたのが (カードゲーム) 開発のきっかけです。あらためて銀行と社会とのつながりとは何か? を考えたときに、当行は地域金融機関なので“地域を元気にする”ことが一番の大きな使命。では地域を元気にするとは? 元気な街や人とは? そうして考えを深めていった結果“ワクワクする楽しい街のアイデア”を出し合うというワークショップの形態が生まれました。実際にワークショップを開催した後、学校関係の方々や自治体の方々から数多くのお問い合わせをいただき、『街-1カード』の教材としての可能性に気付かされることになるのですが、チーム内ではその頃から『将来は特許を取得して一般販売したいね〜』という話は出ていました」。
しかし、地域金融機関が地域の教育に取り組むというのは、イメージとは異なる印象だ。「たしかに“銀行が教育”というのは違和感があるかもしれませんね。先にご紹介した『お金のがっこう』は銀行を知ってもらうための取組みなのでわかりやすいのですが、『街-1カード』のねらいはSDGs啓発です。もちろん、SDGsについて学び、自社の経営戦略に活かすのは、地域の企業の持続可能な経営のために有効な手段のひとつと言えます。ただ『街-1カード』は主として小学校3年生〜6年生向けのもの。それは、当行が地域の子どもたちの教育について果たすべき役割があると思うからなんです。“地域を元気にする”その実現のために重要な要素のひとつが人財です。地域を元気にする人財がより多く集まって来るような街とは、その人が活躍できる仕事があることはもちろん、ご家族が安心して暮らせる街であることも重要です。家族みんなで安心・安全、心豊かに暮らせる街、そこには基本的な都市インフラや自然環境、質の高い芸術やスポーツ、そして人財を育む学びの場づくりが必要不可欠です。時流に合った質の高い教育環境を生み出すことで、その街の元気は次世代へと続いていくー 私たちはそのように考えています。そのための学びの場つくりに『街-1カード』はお役に立てるのではないかと考えています」と小湊は言う。
「探求的な学習」に役立つ『街-1カード』
「新しい学習指導要領が、小学校では2020年度、中学校では2021年度から全面施行され、改訂された学習指導要領の大きなテーマは、子どもたちの『生きる力』をどのように育むかということです。その学びの場において『街-1カード』は大きな可能性を秘めていると思います」と言うのはNCB 広報文化部 武田怜子。「今は社会の変化が激しくて、変化の予測すらできない時代と言われています。その中で、学校で学んだことを活かして、子どもたちが自分の未来を切り拓くにはどうしたらよいだろうか? 子どもたちが変化に向き合いみんなと協力して課題を解決していくにはどうすればよいのだろうか? など教育現場の先生方はもちろん、ご家庭でもいろいろなチャレンジが行われていると思います。特に各学校でいろいろな工夫のもと実施されている『探求的な学習』では、課題の設定 / 情報の収集 / 整理・分析 / まとめ・表現 という4つのプロセスが重視されていると聞きます。この4つのプロセスが『街-1カード』を使った学びの場で提供できるのではないでしょうか」。
『街-1カード』は、場所を示すカード×1枚と、人・物を示すカード×2枚、計3枚のカードを組み合わせて、カードに書かれている事象を活かした“地域の役に立ちかつ楽しい街のアイデア”を考えてお互いに発表し合うというシンプルなものだ。 ①社会課題の解決に寄与し、②たくさんの方と協働できるような、さまざまな仕組み (サービス、商品、イベントなど) を考えるもので、生まれてくるアイデアはSDGsの達成を通じて地域活性化を図る取り組みそのものと言える。「カードに描かれている内容は [空港] [朝市] [会社を元気にしたい社長] [アウトドア好きの仲良し家族] など、いずれも具体的なものです。先の『探求的な学習』の4つのプロセスで言えば、カードの内容を知り【情報の収集】、 組み合わせてアイデアを考え【整理・分析】、みんなで発表し合う【まとめ・表現】。それはSDGsにつながる地域の問題解決【課題の設定】になります。カードを使って、自然と『探求的な学習』ができるのが『街-1カード』だと感じています」と言うNCB 広報文化部 植山笑子 。なるほどその言葉どおり、シンプルな仕組みのカードゲームだからこそ、新しい学習指導要領にのっとった学びを実現できるのではないだろうか。
STEAM教育に取り組むための教材として
「21世紀型の新しい教育『STEM (ステム) 教育』が世界で導入され始めています。“自分で学ぶ力”を育むもので、Science (科学)、 Technology (技術)、 Engineering (工学)、Mathematics (数学) の教育分野を総称した言葉で、これらの分野の教育に力を注ぎ、自分で学び、自分で理解していく子どもを育てることが目的です。また、テクノロジーを使いこなすだけでなく、クリエイティビティを発揮するほうがより現代に求められるという視点から、最近では『STEM』にArt (芸術) 、もしくはArts (リベラルアーツ、教養) を加えた『STEAM (スティーム) 教育』が提唱されてきています。新しい学習指導要領の中で、特に先生方向けの資料には『総合的な学習』の時間でSTEAM (スティーム) 教育に取り組むことが期待されていると書かれています。さらに、この21世紀型の新しい教育を進める上で大いに参考となるのが“新たな教育に必要な4つのC”と言えます。これは、歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリ著の 『21Lessons』 の中でも触れているもので、Clitical thinking (批判的思考)、Communication (コミュニケーション)、Collaboration (協働)、Creativity (創造性)を指します。記憶に偏った詰め込み型、知識集約型の教育でなく、自分で考えることの大切さを学ぶという教育改革が必要だと提唱されています。『街-1カード』は、先生や保護者の方々が水先案内人となり、子どもたちと一緒にゲームを進めていくと、自然と“4つのC”を実践していることに気付かれるのではないでしょうか? 子どもたちの『生きる力』を育む学習を、より本質的に進めたいと考えている先生や保護者の方々にとって、この『街-1カード』はきっと有効な教材になると思います」とは、NCB 広報文化部 吉留浩二の言葉だ。「SDGsの本質は『バックキャスト [註1] 』だと思います。17のゴールと169のターゲットを意識して、SDGsが達成された世界を思い描き、現在地からそこに至るまでに僕たちは何をすべきか? それを考えることがSTEAM教育につながるし、『街-1カード』がその手助けをしてくれます。先生方や保護者の皆さんには、子どもたちがより良い未来を描ける方向に導く役割、いわゆるファシリテーター [註2] として、子どもたちと一緒に学び考えながら、ぜひその力を発揮して欲しいと思います」。
[註1]「将来」を起点に「現在」を考えるの思考のこと。ありたい未来の姿を起点として、それを実現するための新しいアイデア=イノベーションを生み出す。
[註2] 会議などの場で参加者に発言を促したり話の流れをまとめたりする人。参加者の共通認識を確認しながら、話し合いをゴールに導く。
名称 | 街-1 (まちわん) カード |
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内容 | 場所カード10枚、人・物カード70枚 (合計80枚) |
コンセプト | SDGsな発想力が身につくカードゲーム |
特長 | ①SDGsの意識を醸成することで、未来を担う子どもたちに生きる力を養うことができます ②カードゲームを通じて「まちづくりや地域活性化のアイデア」を考えることで考える力を養います ③自分の考えたアイデアを発表しあうことでプレゼン力・人の意見を聴く力を養います |
販売対象 | ● 個人のお客様 ● 自治体・教育機関・企業や事業者など ※使用は10歳以上推奨 |
単価 (1セット) |
3,980円(税込:4,378円) ※送料が別途かかります |
その他 | ● カードゲームの実施に必要なゲームボードは、購入いただいた方のみにダウンロードURL等をお知らせします。 ● 特許番号:第7039638号 |